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LEDビジョンとは?導入前に知っておくべき基礎知識を徹底解説

施設の集客力アップや広告効果の最大化をお考えの方に注目されているLEDビジョン。大型ビジョンによる圧倒的な存在感で、多くの人々の目を引き、施設の価値向上に貢献します。

かつては、一部の大型ビジョンにのみ採用されていたLEDビジョンですが、低価格化も追い風となって多くの企業がLEDビジョンを設置するようになりました。

しかし、「具体的な効果が見えづらい」「初期投資が心配」といった不安の声もまだまだ聞かれます。

この記事では、LEDビジョンの基礎知識から、投資効果を最大化するための活用方法、さらに導入事例まで、検討に必要な情報をわかりやすくまとめました。これから導入を検討される方はぜひ参考にしてみてください。

HIBINOでは、LEDビジョンの最適な活用・選定方法をまとめた資料も配布しております。ディスプレイの選定にお悩みの方は、ぜひお気軽にダウンロードください。

LEDディスプレイの最適な活用・選定方法

LEDビジョンとは

近年、街中でLEDビジョンを目にする機会が増えてきました。その基本的な仕組みから、なぜ今注目を集めているのか、詳しく見ていきましょう。

LEDビジョンの定義と仕組み


LEDは、発光ダイオード(Light Emitting Diode)の略で、電気を通すと発光する半導体素子のことです。LEDビジョンは、このLEDのチップを規則的に配置し、それらを電気的に制御することで映像を表示する大型のディスプレイのことを指します。

LEDは光の三原色といわれる赤・緑・青の3色で構成されており、単体では決められた色しか発せないので、LEDビジョンは大量のLEDを用いて文字や画像を表示する仕組みです。

LEDビジョンと液晶ディスプレイの仕組みの違い


LEDビジョンと従来の液晶ディスプレイでは、映像を表示するための発光の仕組みが大きく異なります。

LEDビジョンはLED素子そのものが色付きの光を直接発光するのに対し、液晶ディスプレイはバックライトが発する光を、偏光フィルター・カラーフィルター・液晶を通過することで、色付きの光として出力します。

液晶ディスプレイのイメージ図とLEDビジョンの写真
▲液晶ディスプレイとLEDビジョンの発光原理の違い

LEDビジョンが注目される理由


LEDビジョンは近年、さまざまな場所に設置されビジネスに活用されるようになりました。その理由は、高輝度・高コントラストによる鮮明な映像表現です。

LED自発光による鮮やかな映像と大画面による強い存在感で、人々の視線を自然と惹きつけ、施設やブランドのイメージ向上にも貢献します。

また、コンテンツをリアルタイムで更新することもできるので、時間帯や天候、イベントなどに応じた柔軟な情報発信が可能です。企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)が進む中、遠隔制御による効率的な運用も可能となり、企業の情報発信インフラとしての価値を高めています。

LEDビジョンの特徴

LEDビジョンには、液晶ディスプレイやプロジェクターにはない、数々の特長があります。ここでは、導入を検討される際に押さえておきたい主な特徴を解説します。

外光に負けない高い視認性


LEDビジョンは、素子一つひとつが自発光するため、液晶ディスプレイやプロジェクターといったほかの映像装置よりも均一に発色することができます。

発色がよく、コントラストの高い映像が出せるため、店舗のショーウインドウや外光が多く入る室内でも視線誘導をしやすい空間演出が可能です。また、高輝度屋外仕様であれば、ビルの屋上や壁面で高いインパクトのある映像送出もできます。

レイアウトやサイズの自由さ


LEDビジョンの特長の一つが、そのレイアウトの自由度です。液晶ディスプレイは定型のサイズに限定されるのに対し、LEDビジョンはモジュールの組み合わせにより、設置したい場所に合わせた最適なサイズ設計が可能です。

大画面を1面設置してインパクトを出す方法や、比較的小さな面積を複数台配置して、面白味のある空間演出を行う方法もあります。

さらに、モジュールの間に縁(ベゼル)がないため、つなぎ目を気にせずシームレスな大型ビジョンを構築できる点もメリットです。薄いベゼルの液晶ディスプレイもありますが、価格は高めになります。LEDビジョンは、価格と性能のバランスにおいてリーズナブルと言えるでしょう。

設置環境を選ばず、長く使える


LEDビジョンは、液晶ディスプレイに比べ耐光性に優れています。また防水・防塵仕様もできるので、屋外への設置も安心です。

また、部品交換による修理が可能なため、液晶やプロジェクターと比較して運用面においても優れています。

さまざまな形状が作りやすい


LEDビジョンは、横長、縦長、キューブ型、コーナー型、変則的な平面はもちろん、円柱やウェーブ型などの曲面にも構築が可能です。

この特長によって、設置する建物の特徴や空間を活かした立体的な演出が可能になり、独創的な空間づくりに貢献します。

コストパフォーマンスが高い


LEDビジョンは、近年ではLEDの価格が手頃になってきたこともあり、他のディスプレイと比べても導入のハードルは高くありません。

さらに、長期的な視点で見ると優れたコストパフォーマンスを発揮します。液晶ディスプレイやプロジェクターに比べ、LEDビジョンは同じ輝度で発光できる時間が圧倒的に長いため、長期間使うことができるのです。

また、故障した場合、液晶ディスプレイとは違い壊れている一部のモジュール交換で対応可能なため、メンテナンスコストも抑えられます。

LEDビジョンの活用事例

ここでは、代表的な活用事例をご紹介しながら、その効果と可能性について解説します。

スタジアム・競技場


スポーツ施設における観戦において、LEDビジョンが活用されています。従来のスコアボードとは異なり、高精細な映像によるリプレイや選手の表情のアップなど、臨場感あふれる演出が可能になりました。

これにより、観客の満足度が大幅に向上し、施設の集客力強化にもつながっています。また、スポンサー広告の展開やイベント時の演出などにも効果を発揮します。

スタジアムでの導入事例については、こちらの記事もぜひご覧ください。

参考:パナソニックスタジアム吹田の大型ビジョンを刷新!高精細・大型化で視認性アップ

屋外広告


ビル壁面や屋上に設置された大型LEDビジョンは、昼夜を問わず鮮明な映像表示が可能です。日中の強い日差しの下でも視認性を確保し、天候を問わず安定した映像表現ができます。

近年は、平面の映像コンテンツが3Dに見える「3D広告」も注目されています。動画に慣れた人にも、よりインパクトを与えられるため、人々の興味を惹き記憶に残りやすい点が魅力です。

3D広告の仕組みについて、詳しくは以下の記事でも解説しています。

参考:どうして飛び出す!?巨大3D広告の仕組みとは?

店舗・商業施設


商業施設では、LEDビジョンが新たな集客装置として活用されています。

エントランスやアトリウムに設置された大型ビジョンは、施設全体の雰囲気を演出できます。季節やイベントに合わせた情報発信ツールとしても活躍するでしょう。

店舗での活用方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

参考:集客・売上アップに貢献!店舗の魅力を引き出す「売り場別LEDディスプレイ活用アイデア」

ショールーム


製品やサービスの展示・説明の場であるショールームでは、LEDビジョンでの大画面での商品紹介により、より魅力的で説得力のある商品説明が可能になります。

たとえば、自動車や不動産のショールームでは、実物大のスケール感や、CGによる詳細な機能説明など、従来の展示方法では実現できなかった表現ができるでしょう。高品質な映像による演出は、企業のブランディングにも効果を発揮します。

ブランディングでの活用方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

参考:ブランディングは動画で。LEDディスプレイで魅せる企業イメージ

LEDビジョンの価格に影響する要素

LEDビジョンは、仕様によって価格が変わります。その中でも特に重要な要素が「ピッチ」「輝度」「解像度」です。これらのLEDビジョンに関する専門用語を簡単に解説します。

ピッチ(ピクセルピッチ、ドットピッチ)


LEDを配置する間隔のことです。数値が小さいほど感覚が狭く、同じ面積であればLEDの数が多くなります。

参考:ピッチとは?LEDディスプレイの解像度への影響と選び方をHIBINOが解説

ピッチのイメージ図


輝度


明るさの指標。単位は「cd/㎡」です。輝度が高いほど明るいことを意味します。外光の影響を受ける場所では輝度によって視認性が変わるため、設置場所に適した輝度を選択することが大切です。

視認距離


LEDビジョンからどの程度離れた場所から視聴者が見るかの距離のことです。

LEDビジョンと視聴者の距離が近ければ近いほど、ピッチは狭い必要があります。ディスプレイの面積が広く、遠くから見る場合はピッチが広くても綺麗に見えます。

最短視認距離とピクセルピッチの関係は、以下の計算式で求められます。

「最短視認距離(mm)÷1000=適正ピクセルピッチ(mm)」

同じ面積のディスプレイの場合、ピッチは狭くなるほどLEDの数が増えるので高精細で価格も高くなる傾向です。

たとえば、視認距離が遠い屋外では視認距離が遠くなるため、一般的に10mm以上のピッチが使われます。一方、視認距離が近い屋内では、4mm以下のピッチが使われる傾向があります。

ピッチのイメージ図

LEDビジョン導入時の検討ポイント

LEDビジョンの導入は、単なる機器の購入以上に、さまざまな要素を考慮する必要があります。ここでは、成功する導入のために押さえておくべき重要なポイントをご説明します。

設置場所と環境条件


LEDビジョンの導入を検討する際、まず重要となるのが設置環境です。
屋内か屋外かによって必要な防水・防塵性能が異なり、また周辺の明るさによって求められる輝度も変化します。屋外やガラス張りの室内など、外光の影響を受けやすい環境では、十分な輝度を確保することが重要です。

さらに、設置場所の物理的な条件も重要な検討要素となります。特に高所への設置では、工事の難易度が上がるだけでなく、安全対策も必要となるため、費用が増加する傾向にあります。

ネットワーク型かスタンドアローン型か


LEDビジョンのシステム構成は、大きく分けて「ネットワーク型」と「スタンドアローン型」があります。ネットワーク型は複数拠点からの制御が可能で、柔軟な運用を実現できますが、セキュリティ対策が必要となります。一方、スタンドアローン型は単独での運用に適しており、常に人が常駐する店舗や公共施設などでよく使用されます。

参考:LEDディスプレイの映像送出機器の選び方|ネットワーク型とスタンドアローン型の違いを解説


初期コストと運用コスト


LEDビジョン導入時のコストは、本体価格だけでなく、設置工事費や映像送出機器などのシステム費用も含めて考える必要があります。さらに、長期運用を見据えた際の運用コストも重要な検討要素です。

定期的なメンテナンスは機器の長寿命化に不可欠であり、保守メニューや部品提供期間などのメンテナンス要件も事前に確認しておくことが重要です。HIBINOでは、7年間の部品提供を保証する定期保守メニューを用意しており、長期的な安定運用をサポートしています。

よくある質問

LEDビジョンの導入を検討される方々から、よくいただく質問をまとめました。

Q1 耐用年数はどのくらい?


LEDビジョンの耐用年数を考える際は、法定耐用年数と物理的な耐用年数の2つの観点があります。

法定耐用年数は、資産価値の寿命として法的に定められた期間で、LEDビジョンは「ネオンサイン/電飾看板」として位置付けられる場合、3年とされています。

一方、物理的な耐用年数は、実際に機器が使用できなくなるまでの期間を指します。LEDの劣化や故障、輝度半減期などを考慮すると、一般的に5年程度とされていますが、これは製品や稼働状況によって大きく異なります。実際の運用では、あらかじめ余裕を持った輝度設定にしておき、輝度が落ちてきたタイミングで少し輝度設定を上げて調整し、より長期間の使用することもあります。

Q2 設置に必要な法令・屋外広告物の申請手続きは?


屋外へのLEDビジョン設置には、主に「景観条例」と「屋外広告物条例」への対応が必要となります。

景観条例は、美しい街並みや良好な都市景観を形成保全するために各地方自治体が制定しており、設置前に必ず各自治体や景観行政団体への確認が必要です。

屋外広告物法は、広告物の規制基準を定めた法律ですが、具体的な規制は地方公共団体が独自に定めています。そのため、設置に際しては自治体への申請が必要となります。

HIBINOでは、これらの条例に関する自治体や団体への問い合わせから交渉、申請手続きまでを一貫してサポートしておりますので、安心して導入を進めていただけます。

Q3 映像コンテンツの制作で気を付けることは?


映像コンテンツ制作で最も重要なのは、その目的を明確に定めることです。

単に見栄えの良いコンテンツを作ることではなく、企業の魅力や商品の特徴を効果的に伝えることが本質的な目的となります。

そのため、まず「伝えたいメッセージ」を明確にし、それに沿った映像表現を追求していくことが重要です。

Q4 必要な輝度は?


LEDビジョンに必要な輝度は、設置場所や用途によって大きく異なります。

店舗などの室内空間での演出であれば、600cd/㎡程度で十分な視認性を確保できます。一方、ビル屋上などの屋外広告では、太陽光に負けない視認性を確保するため、5,000cd/㎡以上の高輝度が推奨されます。

また、落ち着いた雰囲気を演出したい場合や、強いインパクトを求める場合など、演出目的によっても最適な輝度は変わってきます。

Q5 ランニングコストに必要な項目は?


LEDビジョン導入において、初期投資は予算化しやすい一方で、ランニングコストは見落としがちです。継続的にかかる費用として、以下の項目を考慮する必要があります。

・電気代(設置面積と輝度等により異なる)
・保守・メンテナンス費用
・コンテンツ制作費用(内容や更新頻度により異なる)
・通信費等(配信システムを導入する場合)

最近は、DX推進のため配信システム導入を希望されるケースが増えてきています。このような配信システムの導入は、運用の効率化というメリットがある一方で、コスト面でのデメリットもあるため、十分な検討が必要です。

参考:LEDディスプレイの映像送出機器の選び方|ネットワーク型とスタンドアローン型の違いを解説

LEDビジョン導入の流れ

LEDビジョンの導入を成功に導くためには、計画的な進行が欠かせません。ここでは、お問い合わせから運用開始までの標準的な流れを、各フェーズごとに詳しく解説します。

初期検討フェーズ(1ヶ月目)


お客様からお問い合わせをいただいたら、まずは、使用目的や期待する効果、予算感、運用イメージなど、プロジェクトの基本的な要件を丁寧にヒアリングさせていただきます。次に、設置予定場所の現地調査も実施し、物理的な制約や周辺環境、建築構造との整合性など、技術的な実現可能性を確認していきます。

これらの情報をもとに、LEDビジョンの具体的な仕様やシステム構成を決定していきます。サイズ、ピッチ、輝度といった基本スペックはもちろん、制御システムや音響設備なども含め設計を進めます。最終的な仕様が確定したら、発注手続きへ入ります。

製造・準備フェーズ(2~4ヶ月目)


ご発注後は、詳細な設計図面の作成から始まります。構造計算や荷重計算、電気設備設計なども含め、施工に必要なすべての設計をおこないます。

並行して、LEDモジュールの製造や制御システムの構築、筐体設計なども進めていきます。
この段階で、必要な周辺機器の手配もおこないます。

設置・調整フェーズ(5~6ヶ月目)


製造が完了したら、いよいよ現場での設置工事に入ります。
設備工事からLEDビジョン本体の設置、制御システムや周辺機器の取り付けまでを順次進めていきます。

設置後は、視認性などの最終調整や動作の確認など、詳細な検査を実施します。

運用開始フェーズ(最短5ヶ月〜)


すべての設置と検査が完了したら、運用を開始します。運用開始後は、長期的な安定稼働を実現するため、定期点検を実施します。

お問い合わせから運用までのフロー

まとめ

LEDビジョンには、鮮やかな映像表現と、設置場所に合わせて自由に形を変えられる柔軟性があります。これらの特長を活かすことで、より多くのお客様を惹きつけることができます。従来の看板や液晶ディスプレイと比べると、インパクトのある情報発信が可能で、様々な場面で活躍してくれます。

最近では、駅前の大型ビジョンから店舗のエントランス、オフィスビルのロビーまで、私たちの身近なところでLEDビジョンを目にする機会が増えてきました。その活用方法も、単なる情報表示から、空間演出やブランディング、さらにはアート作品の展示まで、ますます多様化しています。

LEDビジョンの価値を最大限に引き出すためには、導入の際に使用目的や設置場所、長期的な運用方法などをしっかり検討することが大切です。HIBINOでは、お客様のご要望に合わせたLEDビジョンの提案から納品まで、ワンストップでサポートいたします。ヒアリングを通して、最適なLEDビジョンの選定はもちろん、音響機器やコンテンツ制作も含めたトータルソリューションをご提案いたしますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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