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ピッチとは?LEDディスプレイの解像度への影響と選び方をHIBINOが解説

「LEDディスプレイの解像度ってどうやって決まるの?」
「LEDディスプレイのピッチの大きさを選ぶ基準はある?」

LEDディスプレイの仕様を決める上で、ピッチは大切な要素です。面積当たりのピクセルピッチの密度が高いほど、高精細で鮮明な画像が映し出されます。

ただし、よりピッチが細かいものがどんな場面でも最良というわけではありません。設置場所や目的によって最適なピッチは異なります。

この記事では、LEDのピッチについてわかりやすく解説します。さらに、ピッチを選ぶ際のポイントから活用事例も紹介しますのでご覧ください。

また、HIBINOではLEDディスプレイの最適な活用や選定方法ができる資料を用意しております。導入を検討中の方は、下記よりお気軽にダウンロードしてください。

LEDディスプレイの最適な活用・選定方法

COB元年、高精細LEDディスプレイは1mmピッチ以下の時代へ
〜ISE2024 REPORT〜

ise2024

2024年1月30日〜2月3日に、スペインのバルセロナでISE(INTEGRATED SYSTEM EUROPE)2024が開催されました。

日本でヒビノが手掛けてきたCUBEや錯視3Dがかなり一般化するとともに、次世代の大型LEDディスプレイであるCOB(Chip On Board)※も徐々に市民権を得てきております。

まだまだ高価ではありますが、1mmピッチ以下という従来の高精細を超える超高精細の時代が到来しています。

もはや液晶と比較しても荒い感覚はなく、クリエイターの皆様にとって、重要な選択肢の一つとなることは間違いなさそうです。

そこでこの記事では、超高精細の時代に向けて、そもそもピッチとは何か?を解説し、ディスプレイを選ぶ際のポイントも紹介します。

※COBとはチップオンボードの略で、基盤の上にLEDが直接のっている構造です。従来型よりも面積あたりのチップ数を多く配置できます。

LEDディスプレイの基本的な仕組み

ピッチについて解説する前に、そもそもLEDはどのような仕組みで光っているのでしょうか。

LEDディスプレイとは、Light Emitting Diode(発光ダイオード)とよばれる素子を用いたディスプレイのことです。LEDを均一な面に一定の間隔で並べ、画面として構成しています。

LEDは電流を流すことで光を発する特性を持ち、この光を利用して画像を表示します。LEDは、光の三原色といわれる赤・緑・青の3色で構成されており、単体では決められた色しか発光しません。そのため、赤・緑・青の3色のLEDを1組としてさらに大量のLEDを用いて文字や画像を表現しています。

LEDディスプレイとよく比較される液晶ディスプレイは、後方から間接的に光らせる仕組みであるのに対し、LEDディスプレイはLED自身が色付きの光を発光する仕組みとなっている違いがあります。

LEDディスプレイのピッチとは

ピクセルピッチとは、LED素子間の距離(間隔)(ドットピッチも同じ意味で使われる言葉)です。隣り合うLEDとの距離となります。

LEDディスプレイは、下の画像のように一定の間隔でLED素子が並んでいます。このLEDの中心と、隣のLEDの中心までの距離が「ピッチ」です。この画像の場合、LEDの中心から中心までの距離は4mmなので「4mmピッチ」となります。

LEDの中心から中心までの距離が5mmであれば「5mmピッチ」、8mmであれば「8mmピッチ」です。

ピッチ


ピクセルピッチは、LEDディスプレイの画質に影響を与えます。ピクセルピッチが小さいほど、LEDが密集し高精細になります。

下の画像は、元の写真を1.9mmピッチと2.6mmピッチで表現したものです。同じ写真を表現するにも、ピッチによって画像が荒く見えたり、なめらかに見えたりします。

ピッチの違い


LEDディスプレイ導入を検討していて、ピッチや解像度について詳しく知りたい方はお気軽にご相談ください。

ピッチを選ぶ際のポイント

LEDディスプレイのピッチ選択の際に考慮したいポイントについて解説します。

4つのポイント

それぞれ詳しく解説します。

コンテンツ


LEDディスプレイのピッチ選びは、表示するコンテンツの種類や目的によっても違ってきます。

たとえば、文字情報が多い場合や、高解像度の映像を用いて没入感を演出した場合などは、細かいピッチにすることで映像が鮮明になりコンテンツに合わせた表現が可能です。

また、応用として、適正ピッチよりも荒いピッチにしてコンテンツをレトロ風の見せ方に演出する方法などもあります。

視認距離


視認距離


視認距離とは、LEDディスプレイからどの程度離れた場所から視聴者が見るかの距離のことです。

視認距離によって、選択するピクセルピッチが異なります。LEDディスプレイと視聴者の距離が近ければ近いほど、ピクセルピッチは狭い必要があります。接近して見る環境にピクセルピッチが広いLEDディスプレイを設置すると、表示する画像が荒く見え、意図したように伝わらないからです。

最短視認距離とピクセルピッチの関係は、以下の計算式で求めることができます。

「最短視認距離(mm)÷1000=適正ピクセルピッチ(mm)」

たとえば、視認距離が10mの場合は、10,000mm÷1,000=10mmとなり適正ピクセルピッチは10mmとなります。同じように、視認距離が3mだと、3,000mm÷1,000=3mmとなり適正ピクセルピッチは3mmです。

視認距離が近い場合には狭いピクセルピッチ、遠い場合には広いピクセルピッチを選択します。

コスト


LEDディスプレイのピッチ選びには、コンテンツや視認距離以外にもコストについて考えなければいけません。

どのような環境であっても、ピクセルピッチが狭いLEDディスプレイを選択すれば、表示する画像はお客様へ正確に届けることが可能です。ただし、ピッチが細かくなるほど、高精細になりますがコストも高くなります。たとえば同じ大きさの画面でも、ピッチ10mmとピッチ5mmでは使用するLEDの数は4倍の違いです。

ピクセルピッチをただ狭くするのではなく、目的に合わせたピクセルピッチを選択するようにしましょう。

下記の記事では、ピッチを含めLEDディスプレイの価格を決める3つの要素について解説しています。
▼参考:LEDディスプレイの選び方は?価格を決める3つの要素について解説

消費電力


ピッチが細かくなるほど、使用するLEDの数は多くなります。そのため、消費電力も高くなってしまいます。

LEDディスプレイを導入して長期的に運用していくには、消費電力などのランニングコストも考慮しておかなければなりません。LEDディスプレイのピッチを選ぶ際には、消費電力にも影響することを覚えておきましょう。

下記の記事では、LEDディスプレイの消費電力について解説しています。
▼参考:LEDディスプレイの消費電力はどのくらい?ランニングコストへの影響を解説

HIBINOでは、このようなピッチ選択のポイントを考慮し、お客様の目的や要望を聞いてオーバースペックにならないピッチのプランが提供可能です。画面の大きさやピッチについて迷ったときはお気軽に問い合わせください。
LEDディスプレイの選定について相談してみる

ピッチ別のLEDディスプレイの活用事例

LEDディスプレイは、コンテンツの目的や視認距離によって適正ピッチが異なることは前述の通りです。

ここからは、LEDディスプレイの活用事例をピッチの大きさ別に紹介します。

1.26mmピッチLEDディスプレイ活用事例


1.26mmピッチLEDディスプレイ
ブランディングや集客、商品訴求に効果的な1.26mmピッチLEDディスプレイ


1.26mmピッチのLEDディスプレイは、大企業の高品位なショールーム等で見かけるようになったLEDディスプレイで最も高精細といえるディスプレイです。狭ピッチを実現しており、高精細でありながら最高輝度 1,200cd を誇ります。

たとえば自動車のショールームで活用する場合です。車のカラーやオプションを選択し、リアルタイムでカスタマイズされた商品を大画面で確認できると手元に商品がなくてもイメージしやすくなります。

「Premium Private Show 2021」にて展示した際には、来場者から下記のような感想をいただきました。

「1.26mm ピッチLEDディスプレイは業界では珍しいフル4Kの巨大ディスプレイを展示していて、低消費電力、低発熱に加え、動物の肌や水・油の質感などを繊細に表現していると説明していただきました。節電もできて高画質なうえ、ディスプレイの表面がコーティングされているため、子供が画面を誤って触ってしまっても大丈夫だというところにも魅力を感じました。また、長時間点灯しているにもかかわらず画面の表面温度は一切熱くならなかったため室内に設置しても安心だと感じました。」

高精細LEDディスプレイは、ブランディングや集客、商品訴求への活用で効果を発揮できます。

また、導入事例については下記の記事で詳しく紹介しています。
▼参考:新たな気づきを皆様に!多様なLEDディスプレイが勢ぞろい「 Premium Private Show 2021 」

6mmピッチLEDディスプレイ活用事例


6mmピッチLEDディスプレイ東証アローズのLEDディスプレイ


東証アローズマーケットセンター内にあるリング状の大型電光掲示板には、6mmピッチのLEDディスプレイが採用されています。
視認距離に合わせて最適なピッチを選択することで、遠くからでも内容をしっかり確認できます。

売買が成立した銘柄や現在の株価を確認する人にとって確認しやすい解像度です。駅や空港など細かい表示を含む表示にも向いています。

また、東証アローズのLEDディスプレイの導入事例は下記の記事で詳しく紹介しています。
▼参考:東証のLEDディスプレイが約20年ぶりに刷新!フルカラーで動画も対応

8mmピッチLEDディスプレイ活用事例


8mmピッチLEDディスプレイパナソニックスタジアム吹田の大型ビジョン


パナソニックスタジアム吹田の大型ビジョンは、リニューアルによりピクセルピッチを10mmから8mmに変更しました。ピクセルピッチを変更したことで、より詳細な映像表現ができるようになっています。

スポーツやライブイベントなど、遠くの席にいる観客にも細部までクリアに伝えたいシーンにおすすめです。

また、パナソニックスタジアム吹田の大型ビジョン導入事例は下記の記事で詳しく紹介しています。
▼参考:パナソニックスタジアム吹田の大型ビジョンを刷新!高精細・大型化で視認性アップ

まとめ

ここまでの内容をまとめます。

まとめ

ピクセルピッチは、LED素子間の距離のことで、LEDディスプレイの画質や視認距離に影響を与えます。目的や場所にあった適切なピッチを選択することが大切です。また、同時にコストや消費電力についても考慮しなければいけません。

HIBINOでは、オーバースペックにならないように用途や目的に合った最適な提案が可能です。LEDディスプレイの設置を検討している場所での現地調査から、最適なディスプレイの選定・運用・メンテナンスまで一連の流れをサポートします。

LEDディスプレイの導入をお考えの方で、疑問点や不明点がある方は、お気軽にHIBINOまでご相談ください。
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また、LEDディスプレイの最適な活用・選定方法をまとめた資料も配布しております。選定方法にお悩みの方は、ぜひお気軽にダウンロードください。
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