映像送出機器には、ネットワーク型とスタンドアローン型があります。システム構成を検討する際には、ネットワーク型とスタンドアローン型の特性を十分に理解し、用途に応じた適切な選択が重要です。
ここでは、各システムの特徴について解説します。
ネットワーク型システムの特徴
ネットワーク型とは、インターネットや専用回線を通じて映像送出機器を遠隔で制御できるシステムのことです。
本社から複数拠点のディスプレイを一括管理したり、リアルタイムでコンテンツを更新したりすることが可能です。一般的に、コンテンツを比較的頻繁に切り替える必要がある場所や、人が常駐していない場所での使用に適しています。
しかし、ネットワーク型はデータのやり取りがある分、セキュリティリスクは高まります。近年、悪意ある第三者がネットワークに侵入し、公共の場で不適切な映像を表示させるなどの犯罪行為が報告されています。そのため、採用には慎重な検討が必要です。
また、通信回線の開通手続きや月々の通信料などのランニングコストも考慮する必要があり、漠然とした理由でネットワーク型を選択することは避けるべきだといえます。
スタンドアローン型の特徴
スタンドアローン型とは、ネットワークに接続せず、独立して動作するシステムのことです。映像コンテンツを直接送出機器に保存し、あらかじめ設定したスケジュールに従って再生をおこないます。
コンテンツの更新時に担当者が送出機器の設置場所まで赴く必要があるため、LEDディスプレイの近くに、担当者がいない場合は現実的な選択肢ではありません。公共施設や店舗など、基本的にその場で勤務している人がいる場所では、シンプルで運用コストを抑えられるスタンドアローン型が適している場合が多くあります。
ネットワーク型のような外部からの不正アクセスのリスクも低減できるのがスタンドアローン型の大きなメリットだといえるでしょう。
通信料などの継続的な費用が不要で、事前にコンテンツの配信スケジュールを設定できる機能も備えているため、即時の映像切り替えが必要ない用途であれば、十分な選択肢となり得ます。
ネットワーク型とスタンドアローン型のメリット・デメリットまとめ
各システム構成のメリット・デメリットを表にまとめました。

システム選択は、用途や運用方針に応じて適切な判断が必要です。
即時性の高い情報発信や複数拠点の一元管理が必要な場合は、セキュリティ対策をしっかりとおこなった上でネットワーク型を選択するのが良いでしょう。
一方、定期的なコンテンツ更新で十分な場合や、セキュリティを重視する場合は、運用コストを抑えられるスタンドアローン型が適しています。
特に、ネットワーク型の選択は、運用体制やセキュリティ管理、コスト面を十分に検討した上で判断することが重要です。