
成長の背景には、時代の変化やLEDディスプレイそのものの性能の進化があります。ここでは、考えられる4つの要因を挙げてみます。
以前より手に届きやすい価格帯になった
かつてLEDディスプレイといえば、液晶やプロジェクターの上位に位置するハイエンド機器というイメージがありました。導入費用が比較的高かったため、予算の都合で採用を見送っていたケースも少なくなかったのではないでしょうか。
それが近年、製造技術の成熟と量産体制の確立により、手に届きやすい価格帯の製品が増えてきました。10年前には考えられなかったような
高性能なディスプレイが、現実的な予算で導入できる時代になっています。
この変化は、単に「安くなった」という話にとどまりません。たとえば広告用途であれば、高精細なLEDディスプレイを導入することで
広告の訴求力が上がり、広告収入による投資の回収を比較的短期間で実現できるようになりました。
以前なら液晶など他のディスプレイを選んでいたようなケースでも、「LEDという選択肢もある」と検討のテーブルに上がるようになったことが、市場全体の拡大を後押ししている大きな要因だと考えられます。
狭ピッチ化で「近くで見ても美しい」ディスプレイに進化した
LEDディスプレイには「遠くから見るもの」というイメージがあるかもしれません。かつては、画素ひとつひとつの間隔(ピッチ)が広かったため、近づくとドットが目立ってしまい、屋外の大型ビジョン向けが中心でした。
しかし近年、ピッチの狭小化(狭ピッチ化)が進んだ結果、
近距離で見ても液晶に迫る精細さを実現できるようになっています。会議室やショールームなど、至近距離で映像を見る屋内環境にも十分対応できるようになりました。
また、たとえば駅や商業施設など、ピッチが粗かった時代には文字情報の表示にとどめていたケースでも、狭ピッチ化によって動画やCM映像をそのまま流せるようになりました。映像の表現力が上がった分、広告枠としての価値も高まり、より多くの広告料を見込めるようになっています。
LEDディスプレイの活躍の場は、
「屋外の大画面」から「屋外・屋内のあらゆるシーン」へと進歩したことで、市場の裾野を大きく広げています。
▼ピッチについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
ピッチとは?LEDディスプレイの解像度への影響と選び方をHIBINOが解説
四角い画面だけじゃない、設置場所の自由度の高さ
LEDディスプレイの大きな特徴のひとつが、設置の自由度です。
液晶ディスプレイは基本的にフラットな長方形のパネルで、規格で大きさが決まっています。一方、LEDはモジュールを組み合わせて構成するため、曲面への設置、柱への巻きつけ、極端な横長のストレッチ形状など、
空間に合わせた柔軟なレイアウトが可能です。
壁面や柱、床全体を映像で覆う「空間ジャック」のような演出も、LEDならではの使い方といえます。
こうした
「さまざまな形状に加工できる」「設置環境に応じたデザイン性の高い映像表現ができる」という自由度の高さが、これまでディスプレイを設置できなかった場所にも導入を広げている理由の一つです。
▼LEDディスプレイの様々な形での活用法は、こちらの記事で紹介しています。
四角だけじゃない!こんな形にも?さまざまな形で魅せるLEDディスプレイ活用術
体験型の空間演出ニーズが高まっている
単に情報を映すだけでなく、
空間そのものを演出する道具としてLEDディスプレイが選ばれるケースが増えてきました。商業施設のエントランス、ラグジュアリーブランドのフラッグシップ店、企業ショールームなど、「来訪者の体験」をデザインする場での導入が目立ちます。
こうした演出は、フラットな液晶ディスプレイを1枚置くだけでは実現が難しいでしょう。
大画面と設置の自由度を兼ね備えたLEDディスプレイがあってこそ可能になった演出です。LEDディスプレイは、その表現力で新たな需要を取り込んでいます。
▼体験型の空間演出の事例については、こちらの記事で紹介しています。
イマーシブ体験で創る都市の象徴ーアメリカ最新LED活用事例レポート
これらの4つの要因はそれぞれ独立した話ではなく、
「価格 × 精細さ × 自由度 × 演出力」が掛け算でLEDディスプレイの成長につながっています。