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【最新LEDタイプ一挙解説】
MiPとは?従来のLEDとの違いを8項目で詳しく解説

世界最大の映像機器展示会ISE2025でも熱狂的な注目を集めたMiP(Micro LED In Package)技術を使ったLEDディスプレイ。

MiPは、LEDディスプレイの強みであった「黒の締まり」「高いコントラスト」「広い視野角」を強化した、新しいパッケージ技術です。

本記事では、次世代LEDディスプレイの主役となる可能性を秘めるMiP技術と、従来の技術との違い、特にCOB・GOB(SMD)と徹底比較し、MiPがなぜ今、注目されているのかを解説します。

エントランスやショールームなど、企業の「顔」となる空間づくりに関わる方々必見の内容です。

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LEDディスプレイの最適な活用・選定方法

MiPとは? SMD・COBなどとの仕組みの違い

LEDディスプレイに使用される代表的なパッケージ技術には、DIP、SMD、GOB、IMD、COB、そしてMiPがあります。ここでは、それぞれの技術の構造や特徴を簡単に紹介します。

LED素子の違いのイラスト

DIP(Dot in Place )


LEDチップが直接パッケージに組み込まれ、リードフレームを通じて接続されます。古くからある技術で、現代では特に屋外ディスプレイでよく使用されます。

耐久性が高く、屋外での使用に適しています。視認性が良く、コントラストが高いです。
狭ピッチ化ができないため、低い解像度にしか使用できず、近距離での視認には不向きです。
DIPのメリットとデメリット

SMD(Surface Mounted Device)


SMDは、Surface Mounted Device(表面実装型デバイス)の略称で、LEDチップが基板上に直接実装される技術のことです。ピクセル密度が高く、軽量化が可能で、屋内外問わず広く使用されています。

DIPと比較すると、高解像度のディスプレイが構築可能なので近距離からの視認に適していますが、構造が複雑なため、高価になります。ただし、現時点では最も生産量が多く、性能に対してコストパフォーマンスが高いと言えます。
SMDのメリットとデメリット

GOB(Glue on Board)


GOBは、SMDをコーティングした技術です。LEDチップを基板に直接取り付けたあと、透明なコーティング剤で覆うことにより、表面に保護層があるため、耐水性や耐衝撃性が向上しています。

表面に付着した汚れを固く絞った雑巾などで拭くことができるなど、日常のメンテナンスが容易です。

表面をコーティングするため、通常のSMDより高輝度のLED素子を使用する必要があり、高価になります。また、修理した場合に修理痕が残る場合があります。
GOBのメリットとデメリット

IMD(Integrated Matrix Device )


複数のLEDチップを一つのパッケージに統合する技術で、ピクセル密度を高めることができます。高密度で高解像度の表示が可能です。

視認性が良く、色の均一性が高いのが特徴です。同ピッチのSMDより基板との接触面積が大きい為、LED素子の脱落が防げます。

ただし、製造プロセスが複雑で、コストが高くなることがあります。
IMDのメリットとデメリット

COB(Chip On Board)


COBは、Chip On Boardの略称で、LEDチップを基板に直接実装し、複数のチップを一つのモジュールとして使用する技術です。パッケージを省略することで高密度実装を実現し、SMDより狭いピクセルピッチを可能にしました。

COBは、高い光効率と優れた熱管理性能を持っています。光の均一性が高く、長寿命なのが特徴です。
一方、初期コストが高く、修理が難しく修理痕が残る場合があります。
COBのメリットとデメリット

▼SMDやCOBの詳しい解説は、こちらの記事もぜひご覧ください。
COB LEDとは?COBとSMDの違いについて解説

MiP(Micro LED In Package)


MiPはMicro LED In Packageの略で、LEDディスプレイに用いられる最新素子の一つです。
非常に小さなLEDチップを使用し、パッケージ内に高密度で配置する技術です。次世代のディスプレイ技術として注目されている技術です。

非常に高い解像度と優れた色再現性、高コントラストを提供します。省電力、長寿命で、COBと比較すると修理が容易です。まだ生産量が多くないため高価ですが、今後は量産効果による価格低減が期待されます。
MiPのメリットとデメリット

MiPは、従来のSMD(表面実装型)やCOB(Chip On Board)といった技術のデメリットを解消したLEDの進化形だと言えるでしょう。

MiPの詳しい特徴は、以下で詳しく解説します。

MiPのメリット

MiPは従来技術と比較して、多くの優れた特性を持っています。ここではMiP、COB、GOB(SMD)の比較をご紹介し、それぞれの違いを掘り下げて解説します。
MiP、COB、GOB(SMD)の比較表

1. 黒の締まり:映像に品格を与える「深い黒」


黒の表現力は、映像の奥行きや高級感を左右する重要な要素です。MiPの最大の特徴は、LED素子が非常に小さいことにあります。

発光していない場所(=黒)では、この素子が極めて目立ちにくいため、画面全体に占める黒以外の要素の割合が少なくなり、深い黒が表現しやすくなるのです。

従来のLEDでは、LED部分が白い点として目立ちにくくするため表面にスモーク処理(いわゆる「黒玉」)を施すことがありますが、それでも完全な黒とはいかず、白っぽく見えてしまう傾向があります。

一方、MiPはチップそのものが小さいため、物理的に「黒い面」の割合が大きくなることから、締まった黒が表現可能です。

2. 高いコントラスト:目を引くメリハリ


コントラスト比は、最も明るい部分と最も暗い部分の輝度の比率で、映像の立体感や視認性に影響します。MiPは液晶ディスプレイや従来型のLEDディスプレイを上回るコントラスト比を実現しています。

人間の目は、色そのものより光の変化(=コントラスト)により敏感なようにできているため、広告やプロモーション映像で視覚的インパクトを与えたい場合に特に効果的です。メリハリの効いた映像表現が可能となり、訴求力の高いコンテンツを実現できます。

3. 視野角:どの方向から見ても映える


LEDディスプレイは主に大型映像に使用され、より多くの人に一度に訴求する目的で使用されることが多いため、視野角の広さが重要です。

従来型のLEDディスプレイに比べ、MiPでは視野角が10%程度増え、170度程度の広視野角を実現しています。

これにより、ディスプレイの正面でなく、斜めの位置からでも上質な映像体験を提供できます。広い空間での活用において大きなメリットとなります。

4. 色の均一性:ブランドカラーの再現性


企業ロゴや製品イメージなど、色の正確さが求められる用途では、色の均一性が重要です。

MiPは極小のLEDを使用する為、RGBの配置等を最適化することができるため均一性が出しやすいという特徴があります。

これによって、ブランドカラーの再現性が高まり、企業イメージの統一性を保ったプレゼンテーションが可能になります。

5. より狭ピッチ対応:近距離から見ても美しい


ピクセルピッチは、LEDディスプレイの解像度と視距離を決定する重要な要素です。

狭いピッチほど近距離からの視聴に適しています。MiPは、超小型チップと個別パッケージ技術により、超狭ピッチを実現し、視聴者が近づく環境で特に効果を発揮します。

大画面だと近づきすぎるとコンテンツ全体が見えなくなってしまうので、そこまで狭いピッチは必要ないと思うかもしれません。

ただ、実際に見ていただくと「やっぱり綺麗ですね」とおっしゃるお客様も多くいらっしゃいます。近距離から見ても美しい映像は、直感的な高級感や質の高さを伝えます。

6. 消費電力:省エネで持続可能な運用に


大きな面積のディスプレイや長時間稼働するような環境では、消費電力の違いが年間の運用コストに大きく影響します。

MiPはSMDと比較して、基板に実装されている接点に余計な電極がありません。余分なものを電気が通過しないのでロスが少なく、エネルギー効率に優れています。

消費電力はCOBと同程度ですが、両者とも従来のSMDよりも省電力性に優れており、長期的な運用コストの削減に貢献します。

7. メンテナンス・修理:長期運用の信頼性


導入後の長期運用を考えると、メンテナンス性と修理のしやすさは総所有コスト(TCO)に直結します。

COBは、アルミ基板に直接LEDチップを張り付け、表面が樹脂でコーティングされているため、故障した部分だけ修理することが難しく、修理したあとが残る場合があります。

一方、MiPは故障した箇所のみを交換・修理できる構造になっており、長期運用時の保守負担を大きく軽減できます。

8. コスト:初期費用と運用費用のトータルで見る


GOB(SMD)は量産実績のある技術のため、初期導入コストは最も低く、予算制約の厳しいプロジェクトに適しています。

COBの初期導入コストはMiPと同等程度です。

COBとMiPは今は最先端のものがほしい方・ブランド効果を高めたい方におすすめですが、これから量産され始めるとコスト面での効果も期待できます。

MiPが適した活用シーン

ここからは、MiP技術の特性を活かせる活用シーンをご紹介します。

高級ブランド店舗、ショールーム、展示会
高コントラストと深い黒の表現力で、ブランドイメージを格上げする映像演出が可能です。MiPディスプレイは商品の魅力を最大限に引き出し、ブランド価値を高めることができます。

高級感と精密さが求められる環境では、MiPの優れた黒の表現力と色再現性が、製品やブランドの価値を適切に伝える手助けとなります。

空港・駅などの公共サイン・案内表示
広い視野角により、多くの人が行き交う場所でも安定した表示品質を維持できます。混雑時でも多くの利用者に正確な情報を伝達し、スムーズな誘導を実現できるのがMiPの強みです。

人の移動が多い公共空間では、さまざまな角度から見ても情報が正確に伝わる視野角の広さが重要であり、MiPはこの要件を高いレベルで満たします。

近距離での視認が多い受付・商業施設
超狭ピッチ対応による高精細表示により、至近距離でもドットが目立たないディスプレイを実現できます。企業受付での企業紹介映像や、商業施設の案内ディスプレイとして活用することで、来訪者に高品質な第一印象を与え、企業イメージの向上に貢献します。

MiPは、今まで以上により華やかでより上質なコンテンツをお届けできるため、特に企業の顔となる場所の空間演出に最適です。

まとめ

MiPは従来のLED技術の進化形として、「黒の締まり」「高いコントラスト」「広い視野角」「色の均一性」「狭ピッチ対応」「低消費電力」「優れたメンテナンス性」など、多くの面で優れた特性を持つ次世代ディスプレイ技術です。

特に高級感を演出したい空間や、企業のブランドイメージを高めたい場所での活用に大きな効果を発揮します。今のところ初期コストは従来のディスプレイより高めですが、長期的な運用を考慮すると、そのパフォーマンスの高さから十分な投資価値があると言えるでしょう。

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