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屋外LEDディスプレイは屋内用と何が違う?
設置前に知っておきたいチェックポイント

「屋外用と屋内用、いったい何が違うのか」

LEDディスプレイの屋外設置を検討し始めた方から、よく聞かれる質問です。

見た目は似ていても内部の設計はかなり異なり、輝度・防水防塵・耐久性といった屋外ならではの条件を押さえていないと、設置後に思わぬトラブルが起きることもあります。

本記事では、まず屋外用と屋内用の設計の違いを整理したうえで、導入前に確認しておきたい5つのチェックポイントを解説します。

アーケード下や軒下など「半屋外」といわれる判断に迷いやすい設置場所ごとのIP規格の目安も取り上げていますので、ぜひ参考にしてください。

HIBINOでは、LEDディスプレイの最適な活用・選定方法をまとめた資料も配布しております。ディスプレイの選定にお悩みの方は、ぜひお気軽にダウンロードください。

LEDディスプレイの最適な活用・選定方法

屋外用と屋内用のLEDディスプレイ、 何が違う?

LEDディスプレイの「屋外用」と「屋内用」は、外観こそ似ていますが、内部の設計はかなり異なります。大きな違いは次の3点です。

①高輝度設計


輝度は、nits(cd/㎡)という画面の明るさを表す単位で表されます。数値が高いほど画面が明るく、日光の下でも映像が視認しやすくなります。

屋内用のLEDディスプレイは500〜1,000nits(ニット)程度の輝度があれば視認性を確保できるので十分です。

しかし、直射日光が当たる屋外環境では、4,000〜6,000 nitsの輝度がなければ、太陽光に負けて映像がほぼ見えなくなってしまいます。ディスプレイとしての機能を果たせなくなるため、設置環境に合った輝度の製品を選ぶことが重要です。

この高輝度を実現するために、屋外用には輝度の高いLED素子が搭載されています。輝度が高くなるほど消費電力も増えるため、電源設計や放熱設計も屋内用とは異なる仕様になっています。

②防水・防塵設計


屋外で使用するディスプレイは、雨だけでなく砂埃にも常時さらされます。そのため、高い水準の防水・防塵構造が求められます。

使用方法により様々ですが、ディスプレイ本体を強化ガラスで覆うケーシングを施す場合があります。また、ケーシングにより換気口やファンを設ける必要があるため、通気孔や排気口に防塵フィルターを設けるといった対策も施されています。

近年の屋外用LEDディスプレイでは、IP65以上の防水・防塵性能が標準的なスペックとなりつつあります。

IP規格の詳しい読み方や各等級の意味については、「屋外設置のLEDディスプレイに欠かせない『IP規格』とは? 防水・防塵の基本をやさしく解説」で解説していますので、あわせてご覧ください。

③耐久性


屋外用のLEDディスプレイは、単に「水を防ぐ」だけではなく、筐体の素材や各パーツの耐久性まで屋外用に作られています。

屋外で紫外線にさらされ続けると、耐候性のないLED素子や樹脂・ゴムは、極短期間で劣化してしまいます。そのため、LED素子やモジュール、外装塗装に至るまで、あらゆるパーツに耐候性のある素材が採用されているのです。

このように、屋外用のLEDディスプレイは輝度・防水防塵・耐久性の3つの点で屋内用とは作りが異なっています。屋外の過酷な環境で長く安定して使うために、それぞれ必要な設計だからです。

屋外設置で押さえるべき5つのチェックポイント

屋外用と屋内用の違いを踏まえたうえで、ここからは屋外設置で確認しておきたい5つのチェックポイントを順番に解説します。

チェックポイント① 輝度


LEDディスプレイは、「明るければ明るいほどいい」というわけではなく、設置環境に合った輝度の製品を選ぶことが、長期的な品質維持にもつながります。下表に設置環境別の輝度の目安をまとめました。



























設置環境 推奨輝度
屋内(オフィス・会議室) 200〜800 nits
屋内(明るい商業施設・ショールーム) 800〜1,000 nits
半屋外(軒下・エントランス・ガラス越し) 2,500〜4,000 nits
屋外(直射日光あり) 4,000〜6,000 nits



輝度は「余力を持って選ぶ」のがポイント


必要以上に高い輝度の製品を選ぶと、夜間に画面が眩しすぎて周囲に迷惑をかける「光害」の問題や、LED素子に常時高い負荷がかかることで寿命が縮まるリスクがあります。

おすすめは、ピーク輝度に余力のある製品を選び、最初は輝度を抑えた設定で運用することです。LEDは使用時間により徐々に輝度が低下する傾向にあるため、「暗くなったかな?」と感じた時に少しづつ輝度を上げる設定を行えば、長期間にわたって初期の輝度を継続することができます。

この方法であれば、LED素子の寿命を延ばしながら、導入から数年が経過しても視認性を維持することが可能です。また、昼夜の環境光に応じて明るさを自動調整する機能を持った製品も増えており、日中は高輝度を確保しつつ夜間は輝度を抑えて光害対策を両立できます。

なお、高輝度設計では黒の締まりがやや犠牲になる点も、製品選定時の判断材料として覚えておくとよいでしょう。

チェックポイント② 設置環境


屋外用と屋内用のどちらを選ぶべきか、設置場所だけでは明確に判断できないケースがあります。特に迷いやすいのが「半屋外」と呼ばれる環境です。

設置環境を判断する際は、以下の4項目でチェックしてみてください。1つでも「はい」に該当する場合は、屋外用を選ぶことをおすすめします。


1. 雨や水しぶきが直接かかる可能性はあるか?
2. 砂埃や粉塵が舞う環境か?
3. 直射日光が画面に当たる時間帯があるか?
4. 気温差による結露が発生しうる環境か?


設置環境の見極めを誤ると、雨や結露による浸水、砂埃の蓄積による基板の故障といったトラブルが短期間で発生する可能性があります。「おそらく大丈夫だろう」という判断が、予期せぬ運用停止につながるケースは少なくありません。

判断に迷ったときは、設置環境の条件をまとめてプロに相談することをおすすめします。ヒビノでは、現地で確認し設置環境に最適なディスプレイのご提案が可能です。ぜひお気軽にお問い合わせください。

具体的にどんな場所が「半屋外」に該当するのか、またそれぞれにどの程度のIP規格が必要かは、この記事の後半で詳しく解説します。

チェックポイント③ 耐候性


屋外に設置したディスプレイは、紫外線によって筐体やシーリング材が徐々に劣化していきます。日本の夏場は気温が40℃を超えることもあるため、製品の「使用温度範囲」のスペックは必ず確認しておきたい項目です。

また、沿岸部に設置する場合は塩害への対策が施されているかどうかもチェックが必要です。自社の設置場所がどの塩害リスクエリアに該当するかは、東京電力が公開している塩害マップで確認できます。

チェックポイント④ 放熱・排熱設計


高輝度で運用しているうえに直射日光が当たる環境では、ディスプレイ内部の温度が急上昇します。放熱効果が十分かどうかは、長期運用の安定性に直結する重要なポイントです。

チェックポイント⑤ 保守・運用コスト


LEDディスプレイは「導入して終わり」の設備ではありません。定期的な点検・清掃をすることで、安定した運用につながります。また、故障時にはLEDモジュールの交換対応が発生します。

導入時には保守契約の有無やサポート体制も含めて確認しておくことが大切です。防水・防塵性能が高い製品であっても、屋外環境での経年劣化は避けられません。長期的に安定稼働させるには、定期的なメンテナンスが不可欠です。  

設置したディスプレイが故障で使えない期間があれば、それは機会損失につながります。
ヒビノでは点検や故障時の対応などアフターサービスにも注力していますので、安心してお任せください。

商店街のアーケード下は「屋内」? 迷いやすい設置場所とIP規格の選び方

「半屋外」と言われても、具体的にどんな場所が該当するのかイメージしにくい方も多いかもしれません。ここでは判断に迷いやすい設置場所の具体例と、それぞれに求められるIP規格の目安を紹介します。

場所ごとの判断ポイント


ビルの壁面やロードサイドの看板は明確に屋外、空調の効いたオフィスロビーや商業施設の内部は明確に屋内だと分かります。しかし、次のような場所では判断が難しいのではないでしょうか。

 ・商店街のアーケード下:屋根はあるが、アーケードの入口(出口)に近い場所では横から雨風が吹き込むことがある
 ・駅の改札外コンコースやホーム:屋根があっても外気に直接さらされる
 ・建物のエントランスの軒下:風向きによっては雨が吹き込む
 ・ショーウィンドウのガラス面:屋内設置だが、直射日光が当たるため輝度の条件は屋外に近い

「アーケードがあるから屋内用でいいだろう」と判断した結果、台風時の横殴りの雨で浸水してしまったケースや、「軒下だから大丈夫」と考えていたのに砂埃と結露による劣化が早まったケースは実際に起きています。

設置場所別・推奨IP規格の目安


以下に、設置場所の例と推奨されるIP規格の等級をまとめました。
































設置場所 推奨IP等級 補足
屋内
(オフィス・商業施設内)
IP30〜IP54 空調が効いた環境であれば高い防水性は不要
半屋外
(軒下・エントランス)
IP66 屋外用と基本は同じですが、ケースバイケースなので、ご相談ください。雨の吹き込みや砂埃への対策が必要
屋外
(一般的な壁面設置)
IP65 屋外LEDビジョンの標準的な等級
屋外
(沿岸部・台風地域)
IP66 強い噴流水や潮風への備えが必要
(防水・防塵性能以外に塩害対策が必要)



IP規格の詳しい読み方については、「屋外設置のLEDディスプレイに欠かせない『IP規格』とは? 防水・防塵の基本をやさしく解説」をあわせてご覧ください。「IP65とIP67は何が違うのか?」が気になる方にもおすすめです。

まとめ

屋外にLEDディスプレイを設置するなら、まず屋外用と屋内用の違い(輝度・防水防塵・耐久性)を理解しておくことが大切です。
そのうえで、5つのチェックポイントを導入前に必ず確認しましょう。































チェックポイント 確認内容
① 輝度 設置環境に適した輝度(nits、cd)か。余力を持った設計になっているか
② 設置環境 屋外・半屋外・屋内のどの区分に該当するか
③ 耐候性 使用温度範囲・UV対策・沿岸部なら塩害対策はあるか
④ 放熱・排熱設計 ファンレス設計か。ヒートシンクは十分か
⑤ 保守・運用体制 定期メンテナンスや保守契約の有無を確認できているか



また、「半屋外」に該当する場所では、設置場所に応じたIP規格の選定も重要です。アーケード下や軒下、ショーウィンドウのガラス面など、具体的な場所ごとの推奨IP等級を本記事で紹介しましたので、ぜひ参考にしてください。

屋外用LEDディスプレイの各スペックは、屋外の厳しい環境で安定稼働させるために必要な要件です。チェックポイントをひとつひとつ確認することで、導入後も長く安心して使い続けられる製品選びができます。

「自社の設置環境にはどんなスペックが必要か」「設置後にしっかり訴求力を発揮できるディスプレイを選ぶにはどうすればよいか」など、具体的なお悩みがございましたら、お気軽にヒビノまでご相談ください。

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