:(ガタンゴトン、ガタンゴトン)
:現地調査では、確認しなければいけないことがいくつかあるぞ。
到着する前に
第六話「お問い合わせ商談」で話した内容をおさらいだ。AI君、ちゃんと覚えているか?
:博士、もちろんです!
①導入目的: 新しく立ち上がった20代女性向けコスメブランドの認知・拡大。
そのため、商業施設にLEDディスプレイを設置希望。
②設置環境:屋内外の両方。商業施設の壁面の大型ディスプレイ・柱や階段の段差部分。
③予算感:選ぶLEDディスプレイによって応相談
④運用開始時期:半年後
⑤運用期間:5年間
ちかちゃんに、前回の商談ではこの5つのポイントを聞きました。博士に内緒でチェックリストも記入してもらったので、ちゃんと持ってきましたよ。エッヘン!
:おお、前回の商談内容も事前準備もばっちりだな。
:でも博士、いろいろ商談で話を聞いて情報があるのに、なぜ現地に行く必要があるんですか?
:いい質問だ。現地調査に行く理由は大きく二つあるぞ。
一つ目は「商談やチェックリストでは見えない想定外の設置条件を見つけること」、二つ目は「LEDディスプレイに詳しいプロが実際に現地を見て説明することで、認識違いや完成後のトラブルを防ぐこと」だ。
:LEDディスプレイに詳しいプロだからこそ、現地調査で気づけることがあるってことですね!
: そうだ。例えば、どの程度雨にさらされるのか、海の近くなのかなどの設置環境を把握することで、トラブルを未然に防止することができる。それに、用途や「どの位置から見てもらえるか」といったLEDディスプレイと人との距離を把握することで、見て欲しい人に十分な品質の映像を届けることができる。
:ふむふむ。
:それにプロから見てわかることを丁寧に説明することで、クライアントが分からなかった部分やイメージできていない部分の確認ができる。認識違いがないように事前に話をすり合わせながら設置環境を把握することで、導入すべきLEDディスプレイを決めていくというわけだ。
:なるほどー!現地を見ながら説明してもらえると、実際に設置した際のイメージもつきやすいですし理解が深まりますね!
:それとな、クライアントのやりたいこと(希望)や設置イメージが膨らみすぎてしまう前に、早めに現地調査へ行くことをおすすめするぞ。
:たしかに…。希望と現実は違いますもんね…。希望を叶えるためには現実とも向き合わなくっちゃ…。なんだか人生にも通じるものがありますね。
:随分と達観しているんだな。
このように、お問合せ時の商談も現地調査もどちらも大事というわけだ。特に広告を出したい、ブランディングに使用したいなどの「LEDディスプレイを設置する目的」を明確にしておくことも重要になるわけだ。それでだな…。
(ガタンゴトン、ガタンゴトン。プュー)
:あ、博士!目的地の駅についてます!!!ドアが閉まっちゃいますよ!
:なんだと?!話に夢中になりすぎた!
:博士、ギリギリセーフでしたね!もうヒヤヒヤさせないでくださいよー。
: LEDディスプレイの話になると熱く語ってしまうからな。続きは着いてからにしよう。AI君、まずは設置する予定の場所を探してくれ。
:はいはい、博士は方向音痴ですもんね!任せてください。さてさて設置予定の場所はどこかなー♪
:方向音痴…。そ、そ、そんなことはないぞ。
:もうバレてるので、ごまかしても無駄ですよ、さっそく設置予定場所はっけーん!
:「・・・。」ここの柱とあっちにある階段の段差部分だな。
:でも現地で何を確認すればいいんですか?クライアントさんが立ち会いに来たときに説明できるように教えてください!
:ちかちゃんに会ってから、やる気がすごいな。導入目的に合わせてLEDディスプレイを選定するにはいくつかポイントがあるぞ。現地調査では次の内容を確認するように!
①設置場所(屋内/屋外)で必要とされる「輝度」
②視認距離とピクセルピッチ
③LEDディスプレイを選定する上での設置場所(屋内/屋外を問わない)
④防水・耐風・防塵・塩害に対するリスクへの対策
:現地調査で確認することがたくさん!今回は屋内と屋外どちらも希望しているんでしたね。
:屋内外それぞれ説明していくぞ。
まずは一つ目の
①設置場所(屋内/屋外)で必要とされる「輝度」
では、特に屋外は注意が必要になる。屋外では十分な輝度がないと視認性が低下してしまうため、外光が直接あたるか、日陰があるかなど設置場所に適したLEDディスプレイの選定が重要だ。
:ふむふむ。
:さらに、ここの柱と階段に設置した場合は、屋内で近い場所からLEDディスプレイを見ることができるが、屋外となると離れたところから見ることもあるだろう?
そこで二つ目の
②視認距離とピクセルピッチ
だ。
:確かに!場所によってLEDディスプレイとの距離や大きさも異なりますよね。
:つまり、距離が近い場合にピクセルピッチが粗いと、ドットが見えてしまって見づらくなると言うことだ。
:なるほど。現地調査は細かいところも確認しておかないとですね。
:そういうことだ。応用として、適正ピッチより粗いピッチにすることで、コンテンツを含めレトロ風の見せ方を演出するという手法もある。
さて、少し分かってきたところで、ここで問題です!!ジャジャンッ♪
:え?!なんですか急に!いきなり問題なんて聞いてないですよー。
:先に言ったら問題にならんだろ。では問題!現地調査で確認する事項に
③ LEDディスプレイを選定する上での設置場所(屋内/屋外を問わない)
とあるが、視認性の他に確認することはなんでしょう?
:うーん…。あ!設置場所の構造物が荷重に耐えられるかどうか。それと吊るしたり、ポールなどで支える場合、落下のリスクがないかどうか。これでどうだ!
:ぬぬ…正解だ!設置場所が不安定であったり、LEDディスプレイを支えられない環境である場合も十分に考えられるから以下の確認が必要だ。特に大型になるにつれてその分トータルの重量が重くなるから転倒の防止も重要になるぞ。
・設置場所の構造物の対荷重は問題ないか(床抜けなどのリスク)
・安全に走行可能か(移動式のトラックディスプレイの場合)
・支えている箇所の対荷重は問題ないか
・転倒や落下の危険がないか
:やったー!正解。商業施設の周辺はお店もいっぱいで、人もたくさん通るので設置場所は十分に気をつけないとですね。博士、正解したのであとで何か奢ってくださいね♪
:お、雨が降ってきたな。 次は
④防水・耐風・防塵・塩害に対するリスクへの対策
についてだ。
:あー博士、話そらした!なんてこった。
:屋外に設置する場合は、天候による劣化の影響に加えて、飛来物などによって部分的にパネルが故障してしまうリスクがある。それに、防塵対策が施されていないと早い段階で劣化が進んでしまうことがあるぞ。
:今日みたいに雨が降って風もある日は心配ですね。
:AI君、心配することはないぞ。設置場所に合わせた、屋内対応モデルと屋外対応モデルを用意してある。それに、屋内でも水滴が当たる場所では、屋外タイプを選定することもあるんだ。階段の段差部分も雨の日には水滴がかかる可能性があるから、屋外タイプのものがおすすめだぞ。
:なるほどー!
製品ラインアップはこのページに詳しく載ってました!
:今あげたポイント以外に、3Dコンテンツへの想定も必要となることがある。最近では3DコンテンツをLEDディスプレイに映し出したいクライアントも増えているから、その場合は実際に映した際の見え方も想定しておく必要があるぞ。
:最近は3D視が流行っているんですね。立体的に見えるとインパクトがありますー!
:3Dコンテンツで立体的に見えるようにすることで、人の目を惹きつけることができるぞ。LEDディスプレイは視野角が広いから、いろいろな角度から見ることが想定される。
:たしかに!オーディエンスがどの位置から見るかによって設置構成を考える必要がありそうですね。
:どこからでも3Dに見えるわけではないから、3D視を考える際はどの位置から見てもらえるかをしっかり想定しておくことが重要だ。特に人の目線の先に角があるといいぞ。イメージしやすいようにこの動画を見るといい。
:わぁー、見る位置によって全然違いますね!びっくりです!
:見る位置の他に、遠くから見てきちんと見えるか、人通りがあって見てもらえる場所か、立ち止まって見たときに邪魔になる場所ではないかといったことも確認する必要がある。
:人通りを確認しながらベストポジションを探すんですね!たしかに
クロス新宿ビジョンの3D巨大猫もちょうど信号待ちで止まった時に綺麗に見えますしね。
:その通りだ。あれも現地調査をして信号待ちの交差点のポジションから見えるように想定して作られているぞ。このように今まで説明したポイントはどれも現地調査で確認が必要というわけだ。
:博士、現地で確認する内容がよく分かりました!それと商談の中で、ちかちゃんが大型ディスプレイの設置も希望していましたが、選定する際のポイントはありますか?
:壁面やビルの屋上に設置する大型LEDディスプレイは視認距離と画素ピッチを適切に選ぶことで、導入時の費用をセーブすることができるぞ。もちろん精細な描写のディスプレイを導入できるが、視認距離が遠い場合は精細な描写を確認しづらくオーバースペックのLEDディスプレイを選定することになる。
:大型ディスプレイもさっき説明した「視認距離」「ピクセルピッチ」「設置場所の条件」がポイントになるってことですね!
:その通り。どの場合も目的に合わせたLEDディスプレイを選定するために、事前の商談や現地調査がすごく重要なんだ。
:博士、今日の説明で現地調査の重要性がわかりました。これでまた一つレベルアップです♪
:どんどんレベルアップしてきてるな。現地調査について詳しく知るには、
ホワイトペーパーをダウンロードして確認するといいぞ!