フィルム式LEDディスプレイの主な特徴は、高い透過率、軽量設計、そして柔軟性の3点です。これらの特徴が、従来のディスプレイ技術では実現困難だった新しい用途や表現を可能にします。
ここからは、フィルム式LEDディスプレイの3つの特徴を詳しく解説します。
高い透過率

フィルム式LEDディスプレイの最も大きな特徴の一つが、その高い透過率です。
多くの製品で85%という高い透過率を実現しており、これは従来の透過型LEDディスプレイの約75%を大きく上回ります。
この高い透過率により、非表示時にはほぼ透明なガラスのように見え、必要に応じて鮮やかな映像を表示できます。例えば、ショーウィンドウに設置すれば、通常時は店内の商品を見せつつ、必要に応じて魅力的な広告を表示することができます。
また、オフィスや公共施設のパーティションとして使用すれば、開放感を保ちながら、必要な時だけ情報を表示するといった柔軟な運用が可能になります。
軽量

2つ目のの大きな特徴は、その薄さと軽さです。
厚さはわずか1.5mm程度、重量も従来の透過型LEDディスプレイの約50,000kg/㎡に対し、2,900g/㎡程度と大幅に軽量化されています。
この超薄型・軽量設計により、設置の自由度が大幅に向上しました。従来のLEDディスプレイでは、設置に際して建物の構造強度の確認や、場合によっては補強工事が必要でした。しかし、フィルム式LEDディスプレイなら、既存の窓ガラスや壁面に直接貼り付けるだけで設置が完了することが多いので、作業が容易かつ省スペースに設置できます。
これにより、耐荷重に制限のある古い建築物や、大がかりな躯体工事が難しい賃貸物件など、これまでLEDディスプレイの設置が困難だった場所でも導入できるようになりました。
柔軟性

3つ目の特徴はその高い柔軟性です。
多くの製品で、半径2mの曲面まで対応可能な柔軟性を持っています。従来のLEDディスプレイでは、曲面に対応するために複数の平面ディスプレイを組み合わせる必要がありましたが、フィルム式LEDディスプレイなら、一枚のシートで滑らかな曲面を形成できます。
この特性により、円柱形の柱や曲面を持つ建築物の外壁など、不規則な形状の表面にもシームレスにディスプレイを設置できるようになりました。