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色相?色域?LEDディスプレイを活用するための「色」に関するエトセトラ

鮮やかな色彩、高い輝度、そして豊かな表現力を持つLEDディスプレイは、近年、屋内外を問わず、多様な用途での企業活動で活躍しています。

LEDディスプレイを最大限に活用するためには、色彩の基本原理を理解し、LEDディスプレイ技術との関係を把握しておくとよいでしょう。

本記事では、色彩の基礎を分かりやすく解説し、LEDディスプレイの効果的な活用方法を探ります。LEDディスプレイの導入を検討している方はもちろん、すでに使用している方も、ぜひご覧ください。

HIBINOでは、LEDディスプレイの最適な活用・選定方法をまとめた資料も配布しております。ディスプレイの選定にお悩みの方は、ぜひお気軽にダウンロードください。

LEDディスプレイの最適な活用・選定方法

色を表す3つの要素(色の三属性)

色彩を理解し、効果的に活用するためには、色を構成する下記3つの基本要素を知ることが重要です。

1. 色相
2. 彩度
3. 明度

これらの要素は「色の三属性」として知られ、これらを組み合わせて一つの色を表すことができます。

色相(Hue)


「色」が無数に存在するさまざまな色のことを指す一方、色相は、赤、青、緑などの「色あいの種類」を表します。これは可視光線の波長の違いによって生じる色の違いを指します。

色相は通常、連続的に変化する円環状の図(色相環)で表されます。この色相環では、赤、黄、緑、青、紫などの基本色が円周上に配置され、それらの間に無数の中間色が存在します。

重要な点は、同じ赤の色相でも、明度や彩度の変化によって異なる印象を与えることです。例えば、明度が低ければ「暗い赤」に、彩度が低ければ「くすんだ赤」になります。

色相環の図

彩度(Saturation/Chroma)


彩度は、「色の鮮やかさ」を表します。通常0%から100%の範囲で表現され、0%が完全な無彩色(白、黒、灰色)、100%が最も鮮やかな純色を示します。

高彩度の色は注目を集めやすくエネルギッシュな印象を与える一方、低彩度の色は落ち着いた印象を与えます。

明度(Brightness)


明度は、「色の明るさ」の度合いを表します。これは実際に放たれる光の強さではなく、色から受ける印象が明るいか暗いかを表す心理的な尺度です。人間は色について「明るい色」「暗い色」という感覚を持っています。

例えば、無彩色で考えると白が最も明度が高く、黒が最も明度が低くなります。灰色はその濃さに応じて両者の中間に位置します。彩度の高い色の場合、明度が高いときに最もくっきりした色合いとなり、明度が0になると彩度も色相も失われ黒になります。なお、明度とほぼ同じ概念を「輝度」と呼ぶこともあります。

明度と彩度の違い

色の表現方法 RGBとCMYKの違い

LEDディスプレイやパソコンでの色の表現方法と、印刷物の色の表現方法は異なります。「RGB」「CMYK」という言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか。

​​ここでは、それぞれの表現方法の特徴と違いを解説します。

RGBとは


LEDディスプレイのイメージ画像

RGB方式は、LEDディスプレイを含むデジタルディスプレイで使用される色の表現方法です。

人間の視覚は主に赤(Red)・緑(Green)・青(Blue)の各色の光に強く反応する色覚受容体で構成されており、これらの組み合わせとしてさまざまな色を知覚しています。

この光の三原色と呼ばれるRed、Green、Blueの頭文字を取ってRGBと表されます。画面や照明のような発光体の色は、この3色の組み合わせにより表現されます。

強度を高めるほど色が明るくなっていき、三色を最大の強度で足し合わせると白色となる。これを「加法混色」といいます。

・赤 + 緑 = 黄
・緑 + 青 = 水色
・青 + 赤 = 紫
・赤 + 緑 + 青 = 3色の強度が同じだと無彩色(灰色)となり、すべて最大の強度なら白、最低の強度なら黒

LEDディスプレイの各ピクセルは、赤、緑、青のLEDで構成されています。これらのピクセルが一つひとつ自発光することで、さまざまな色を表現しているのです。

参考:LEDディスプレイとプロジェクターの違いとは?人の目の構造と映像認識の仕組みから解説!

CMYKとは


CMYKのイメージ画像

CMYK方式は、主に印刷で使用される色の表現方法です。デジタルコンテンツと印刷物の一貫性を保つためにも、理解しておくと良いでしょう。

CMYKは Cyan(シアン)、Magenta(マゼンタ)、Yellow(イエロー)、Key plate(キープレート≒黒)の頭文字を取ったものです。

CMYKでの色の表現は、色を重ねるほど暗くなり、黒に近づいていきます。これを「減法混色」といいます。

RGBとCMYKの色域の違い


RGBとCMYKのイメージ画像

CMYKの色域はRGBよりも狭く、ディスプレイ上で見える鮮やかな色が印刷物では再現できないことがあります。デジタルコンテンツ用に作成したコンテンツを印刷する際は、色域の違いを考慮し、適切な色変換(カラーマネジメント)を行う必要があるでしょう。

RGB方式とCMYK方式の違いを理解することで、それぞれのメディアの特性を活かした効果的な色使いが可能になります。

LEDディスプレイで効果的な色の表現をするには

色は単なる視覚的要素ではありません。ブランドのアイデンティティを表現したり、消費者の感情に訴えかけたり、重要なメッセージを効果的に伝達したりと、さまざまな効果を発揮します。

ここでは、LEDディスプレイで効果的な色を表現するためのポイントをいくつか紹介します。

色域が広いディスプレイを選ぶ


色域とは、表現できる色の範囲のことです。

下の図を見るとお分かりいただける通り、色域は製品によって異なります。そのため、広い色域を持つディスプレイを選び、その特性を活かしたコンテンツを作成することで、より豊かな色彩表現が可能になります。

ヒビノでは、製品の色域に合わせて最も効果的なコンテンツ制作も可能ですので、ぜひご相談ください。

色域のイメージ図

視聴者の注目を集める効果的な色を使う


視聴者の注目を集める効果的な色の組み合わせも重要です。

例えば、交通広告では背景に暗い色、テキストに明るい色を使用することで、遠距離からの視認性を確保できます。また、イベント会場の案内サインでは、ベースカラーに対して補色のアクセントを加えることで、重要情報を目立たせることができます。

補色とは、色相環上で正反対に位置する色のことを指します。例えば、赤の補色は緑、青の補色は橙(オレンジ)です。この補色の組み合わせは、互いの色を際立たせる効果があり、強いコントラストを生み出します。そのため、情報を強調したい場合や、視覚的なインパクトを与えたい場合に効果的です。

この補色の原理は、日常的に使用されているソフトウェアにも応用されています。例えば、PowerPointのデザインテンプレートでも、この補色の効果が利用されています。重要な情報を含むスライドで、ベースカラーとその補色を組み合わせることで、視聴者の注目を集め、情報の重要性を視覚的に伝えることができるのです。

設置場所に適した色を使う


設置場所に適した色の選択も、考慮すべき点です。

例えば、高齢者向けにはコントラストを高めた読みやすい配色を選択すると良いでしょう。ハイブランドの店舗などでは、ブランドイメージを考慮して色域を抑えると効果的です。美術館のような落ち着いた雰囲気が必要な場所では、低彩度・低輝度の色を使用したりすると、空間に馴染みやすくなります。一方、アミューズメント施設のようににぎやかさが求められる場所では、高彩度・高輝度の色を活用すると良いでしょう。

また、道路の横や交差点など、運転時に視界に入るような場所に設置する際は注意が必要です。色で誤認しないよう、信号のような配色・デザインを避けるなど、設置環境に応じた配慮が必要です。

これらの色表現のポイントを踏まえて、ヒビノではどのような映像コンテンツが効果的か、お客様の状況に適したご提案させていただきます。LEDディスプレイの映像を最大限に活かす映像表現にご興味のある方は、ぜひヒビノにご相談ください。

まとめ

色の三要素(色相、彩度、明度)を理解することで、LEDディスプレイにおける色彩表現の可能性がより明確になります。LEDディスプレイの色彩技術は、鮮やかさ、輝度、色域の広さなど、独自の特長を持っています。

効果的な色彩表現のためには、本記事で紹介した技術的な側面に加え、ブランドイメージ、設置環境、視聴者層などを総合的に考慮することが重要です。ヒビノでは、顧客のニーズに合わせたディスプレイの提案から納品までワンストップで対応し、最適な映像体験の実現をサポートしています。また、コンテンツ制作においても、ランニングコストを抑えながら効果的な提案を行うことが可能です。

LEDディスプレイの導入、LEDディスプレイ用の映像コンテンツの制作をご検討の方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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