LEDディスプレイの表示性能を決める要素の一つがリフレッシュレートです。
まず理解しておきたいのは、LEDは電球とは全く異なる発光原理を持っているということです。白熱電球のようにフィラメントが発熱して光るのではなく、LEDは実際には非常に高速で点滅を繰り返し、人間の目には常時発光しているように見せています。この点滅が速いと明るく見え、遅いと暗く見えるという仕組みです。
リフレッシュレートとは、画面が1秒間に何回更新されるかを示す指標で、単位はHz(ヘルツ)で表されます。LEDディスプレイでは、この更新頻度が表示の滑らかさに影響を与えるのです。
高リフレッシュレートと低リフレッシュレートの表示品質の差
リフレッシュレートは、その数値(Hz)によって映像の表示品質は大きく変わります。
例えば、極端にリフレッシュレートが低い場合、自動車レースなど動きの速いスポーツを映したときにぼやけてハッキリ見えないといった問題が生じます。また、人間の目には正常に見えても、ディスプレイを写真や動画で撮影すると縞模様や明暗の帯が目立つ場合があります。
一方で、高リフレッシュレートの場合、映像の動きが非常に滑らかで自然に見え、高速で動く物体やスクロールする文字も鮮明に表示されます。そのため、高リフレッシュレートの映像を写真や動画で撮影した時にも、縞模様や明暗の帯などの問題を大幅に軽減できます。
フレームレートとリフレッシュレートの違い
次に、よく混同しがちな「フレームレート」と「リフレッシュレート」の違いについて説明します。
パラパラ漫画で例えるなら、フレームレートは「何枚の絵を描いたか(コンテンツの性能)」を表し、リフレッシュレートは「パラパラとどれだけ速くめくれるか(ディスプレイの性能)」を表します。
・フレームレート=何枚の絵を描いたか(コンテンツの性能)
・リフレッシュレート=パラパラとどれだけ速くめくれるか(ディスプレイの性能)
それでは以下にて具体的に解説していきます。
フレームレート
映像コンテンツそのものが「毎秒何枚の静止画をつなぎ合わせているか」を表す数値で、単位はfps(frames per second)で表されます。
身近な例で説明すると、映画は一般的に24fps、テレビ放送は30fps、YouTube動画は24〜60fpsで制作されます。
数値が高いほど滑らかな映像になりますが、その分データ容量も大きくなります。

低フレームレートと高フレームレートのイメージ
リフレッシュレート
ディスプレイが1秒間に画面を何回更新するかを示す数値です。コンテンツのフレームレートとは独立しており、リフレッシュレートはディスプレイの性能によって決まります。
このリフレッシュレートと、先ほど説明したフレームレートが合っていれば、その映像は滑らかに見えます。ただし、リフレッシュレートが高くてもフレームレートが低ければ、滑らかな映像にはなりません。

低リフレッシュレートと高リフレッシュレートのイメージ
ビジネス用途のLEDディスプレイにおいては、通常は高いリフレッシュレートが求められることが多いでしょう。特に、スマートフォンでの撮影を意識した広告・サイネージでは、この数値が映像品質を大きく左右することになります。
フレームレートとリフレッシュレートの違いを表にまとめます。
