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高品質な映像を実現するには?
LEDディスプレイ導入前に知っておきたい3つの画質要素

LEDディスプレイ導入を検討する際、サイズや画素数といったスペックだけを見ていませんか?
実は映像の品質を決める重要な要素は他にもあります。

「せっかく高画質コンテンツを作ったのに、ディスプレイで見ると何か違う...」
「グラデーションが縞模様になって綺麗に見えない...」
「明るいシーンと暗いシーンが綺麗に映らない...」


こうした問題の多くは、階調、フルレンジとリミテッドレンジ、最近では階調とフル、リミテッドレンジの要素に加え、SDRとHDRという要素を加えた、3つの要素を理解することで解決できます。

今回は、映像のプロフェッショナルでなくても知っておきたい、この3つの画質要素を分かりやすく解説します。


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LEDディスプレイの最適な活用・選定方法

映像の色のきめ細やかさはどうやって決まるの? 階調を理解しよう

映像の色のきめ細やかさはどうやって決まるのでしょうか?

それを決めるのが「階調」です。
階調とは、色の濃さや明るさをどれだけ細かく分けて表示できるかを示す言葉です。色のなめらかさを決める重要な要素といえます。

階調は8ビットで256色、16ビットで65000色と決められており、この数が大きいほど細かな色や明るさの違いを表現できます。

例えば、8ビットの場合、赤色の中でも256段階のグラデーションを表現できます。一方、10ビットなら1,024段階で表現できるため、より滑らかで自然な色の変化を再現できるのです。

ただし、階調が増えるほど画素あたりのデータ量は増大します。

モノクロの諧調


階調の概念は、モノクロ(白黒)で考えると分かりやすくなります。

最も単純なのは、すべての画素が「真っ白」か「真っ黒」かのどちらかで表現される画像(モノクロ2階調)です。色は「0」(黒)と「1」(白)の2値で識別され、各画素につき1ビットで表現することができます。このような画像では、グラデーションを表現することはできません。

一方、一般的に「モノクロ画像」あるいは「グレースケール画像」と呼ばれるものは白と黒の中間に明るさ(濃さ)の異なる複数の灰色を表現することができるものを指します。

よく用いられる256階調(各画素の情報量は8ビット)のモノクロ画像では、真っ黒(0番目)、254段階の異なる明るさのグレー(1〜254番目)、真っ白(255番目)の合計256段階を表現できます。

この256段階は「8ビット」と呼ばれ(2の8乗 = 256)、8ビットあれば真っ黒から真っ白まで、256段階の色のきめ細やかさを表現できます。

モノクロとグレースケールの違い(イメージ)

カラーの諧調


カラーの場合は、色を複数の原色に分解し、各色の階調の組み合わせで表現できる色の数が決まります。

色を赤(Red:R)・緑(Green:G)、青(Blue:B)の「光の3原色」に分解し、それぞれを同じ階調で表現することが多いです。

人間の目にとって自然の光景と区別がつかない表現は、この各色について256段階(8ビット)程度の階調が必要であると言われており、これを「フルカラー」(full color)あるいは「トゥルーカラー」(true color)といいます。

この3つの組み合わせで表現できる色の数は、256 × 256 × 256 =1677万7216色です。

・赤(R):0〜255の256段階
・緑(G):0〜255の256段階
・青(B):0〜255の256段階


では、8ビットでは不十分な場合もあるのでしょうか?
一般的な用途では8ビットでも十分ですが、グラデーションが多い映像や色の編集・加工を行う場合には階調不足が問題になることがあります。

そのような状況にも対応できるよう、業務用の機器などでは各色10ビット(1024階調)や12ビット(4096階調)で表現するものもあります。

10bit カラー画像
・赤(R):0〜1,023の1,024段階
・緑(G):0〜1,023の1,024段階
・青(B):0〜1,023の1,024段階
⇨表現可能な色数:約10億7,300万色

12bit カラー画像
・赤(R):0〜4,095の4,096段階
・緑(G):0〜4,095の4,096段階
・青(B):0〜4,095の4,096段階
⇨表現可能な色数:約687億色

カラー諧調による表現力の違い(イメージ)

なぜディスプレイで見ると色が違って見えるの?フルレンジとリミテッドレンジの違い

ーーせっかく高画質なコンテンツを制作したのに、ディスプレイで表示すると何か違和感がある...

そんな経験はありませんか?

黒い部分が薄く浮いて見えたり、全体的に白っぽく見えたりする、その原因の一つが「レンジ設定のミスマッチ」にあります。

では、レンジ設定とは何でしょうか?

フルレンジとリミテッドレンジとは、階調の使用範囲のことです。PCディスプレイなどのRGB出力では通常フルレンジが使用され、テレビなどのYUV出力ではリミテッドレンジが使用されてきました。

しかし、最近ではRGB形式で出力できるテレビや、YUV形式の映像をRGBに変換して表示するケースも増えています。そのため、LEDディスプレイ導入時にはこのレンジ設定を考慮し、適切なコントローラーを検討する必要があります。

フルレンジとは


フルレンジ(PCスケール)は、RGB各色を0〜255の全256階調で表現する方式です。

パソコンのモニターやデジタルカメラなどで一般的に使用されており、文字通り「フル」に階調を活用するため、最も広い範囲で明暗を表現できます。

・黒 = 0
・白 = 255
・使用範囲:0〜255の256段階すべて


リミテッドレンジとは


リミテッドレンジ(TVスケール/ビデオレンジ)は、RGB各色を16〜235の220階調に制限して表現する方式です。

テレビ放送や映画など、従来の映像業界で標準的に使用されてきました。

・黒 = 16
・白 = 235
・使用範囲:16〜235(220段階)
・0〜15と236〜255の範囲は使用しない


つまり、同じ8ビット(256段階の能力がある)でも、実際に使う範囲が異なるのです。

フルレンジとリミテッドレンジの違い(イメージ)

設定ミスマッチで起こる問題


レンジ設定が統一されていないと、以下のような問題が発生します。これが「ディスプレイで見ると色が違って見える」原因です。

リミテッドレンジ映像をフルレンジで表示した場合


制作側は「16が黒、235が白」のつもりで映像を作成しています。しかし、ディスプレイ側が「0が黒、255が白」として表示してしまうと、本来「黒(16)」のはずの部分が薄いグレーに見え、本来「白(235)」のはずの部分が灰色に見えてしまいます。

その結果、黒い部分が薄いグレーに見え、白い部分もくすんだ印象になり、全体的に「眠たい映像」「コントラストが低い映像」に見えてしまうのです。

フルレンジ映像をリミテッドレンジで表示した場合


制作側は「0が黒、255が白」のつもりで映像を作成しています。しかし、ディスプレイ側が「16が黒、235が白」として表示してしまうと、0〜15の範囲のデータ(暗い部分の階調)と236〜255の範囲のデータ(明るい部分の階調)が切り捨てられてしまいます。

その結果、細部のディテールが失われ、本来見えるべき質感が消えてしまいます。

フルレンジとリミテッドレンジ、どちらにするべき?


LEDディスプレイを使った映像表示では、どちらを選ぶべきでしょうか?

データを軽くする必要はない(通信速度が遅い場所で使用しないため)ので基本的にフルレンジでの運用を推奨します。フルレンジの方が階調が豊富で、より高品質な映像表現が可能です。

ただし、テレビ放送のコンテンツをそのまま流す場合や、放送業界標準で制作された映像を使用する場合は、リミテッドレンジに注意が必要です。

HDRはなぜ没入感が向上するの?SDRとの違いと導入の注意点

近年、Netflixなどの動画配信サービスなどでも活用されており、没入感が向上することで話題のHDR。なぜHDRは没入感が向上するのでしょうか?

HDRで没入感が向上するのは、明暗を強調し、暗い部分をより暗く、明るい部分をより明るく表示できるからです。

従来のSDR(スタンダードダイナミックレンジ)では表現できなかった、人の目で見た印象に近い映像を再現できるため、その場にいるような臨場感が生まれます。

高画質をかなえる5つの要素として解像度、色深度、フレームレート、色域、輝度がありますが、HDRは輝度に該当します。

SDRとHDRの違い(イメージ)


SDR(Standard Dynamic Range)とは


SDRは「Standard Dynamic Range(スタンダード・ダイナミック・レンジ)」の略で、これまでテレビやパソコンで一般的に使われてきた映像技術です。

明るさや色の表現範囲があらかじめ決まっており、暗い部分から明るい部分までの幅が比較的狭いのが特徴です。そのため、夜景では暗部がつぶれやすく、空や照明の強い部分は白く飛びやすい、といった制約があります。

ただし、ほぼすべてのディスプレイで問題なく表示でき、制作や配信の互換性が高いという強みがあります。

HDR(High Dynamic Range)とは


HDRは「High Dynamic Range(ハイ・ダイナミック・レンジ)」の略で、SDRよりもはるかに広い明るさと色の幅を扱える映像表現です。

ダイナミックレンジを広げることで、太陽や照明のような強い光はしっかり明るく、影や暗闇のディテールもつぶれずに、色もより鮮やかで自然になり、人の目で見た印象に近づけられます。

そのため、HDR映像では、より肉眼に近いリアルな映像を楽しめ、その場にいるような臨場感が生まれます。日常的に私たちが肉眼で自然に見ている光景にとても近い映像になるため、違和感が少なく、より映像の中に入り込む体験が可能になります。

しかし、HDRの場合、HDR対応の映像 × HDR対応のディスプレイの両方が揃わないと本来の効果は出せません。非対応環境では逆に見づらくなる可能性があるため、すべての映像にHDRが最適とは限りません。

SDRとHDR、どちらを選ぶべき?


では、LEDディスプレイ導入時に、SDRとHDRのどちらを選ぶべきでしょうか?
前述の通り、HDRは対応ディスプレイとコンテンツが必要になります。また、HDRコンテンツの制作は、高機能な機材が必要となるためSDRよりも費用がかかります。

LEDディスプレイの用途で選ぶ場合、「イラストなど文字情報多いインフォメーション用途」「予算が限られている場合」は、制作の負担が少ないSDR、「没入型コンテンツで空間を演出したい」「商品の質感や輝きを忠実に伝えたい」「企業のブランドイメージを高品質な映像で演出したい」といった場合はHDRが向いていると言えるでしょう。

以下にSDRとHDRの特徴をまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。










































SDR HDR
明るさの表現範囲   狭い 広い
白飛び・黒つぶれ 発生しやすい 発生しにくい
映像の臨場感 標準的 非常に高い
対応機器 全てのディスプレイ   HDR対応機器が必要
コンテンツ制作費 標準的 やや高い
おすすめ用途 マルチに使用できる 特に企業ブランドイメージの向上、商品の訴求、空間演出におすすめ



まとめ

LEDディスプレイの導入において、映像品質は企業イメージに直結する重要な要素です。今回解説した「階調」「フルレンジとリミテッドレンジ」「SDRとHDR」という3つのポイントを押さえることで、「なんとなく高性能そう」という曖昧な判断ではなく、自社の用途に最適な選択が可能になります。

基本知識を理解した上で、専門家のアドバイスも活用しながら、自社の用途に合った投資対効果の高い導入を実現しましょう。

ヒビノでは、LEDディスプレイに関する豊富な導入実績と技術知識をもとに、お客様の用途や予算に合わせた最適なソリューションをご提案いたします。階調、レンジ設定、SDR/HDRの選定から、コンテンツ制作まで、トータルでお手伝いいたします。

LEDディスプレイの導入をお考えの方は、ぜひご相談ください。

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