効率的な再撮を行うためにはLEDディスプレイの活用が効果的です。しかし、どのようなLEDディスプレイでもよいという訳ではありません。再撮に適したLEDディスプレイのポイントとして代表的なものを4つ紹介します。
それぞれ注意ポイントを詳しく解説します。
・ポイント①: 反射しづらいか
クロマキー合成を活用する時ほどではないですが、撮影時の照明に配慮する必要があります。
撮影時に照明がLEDディスプレイの画面に反射してカメラに入射し、部分的に白とびすることや、役者が映り込むことがあります。反射や映り込みの少ないマット加工されたGOBコーティング(Glue On Board)が施されているLEDディスプレイを使用しながら、ディスプレイとカメラの位置関係にも注意しながら撮影を行うことがポイントです。
・ポイント② :モアレが発生しないか
LEDチップとカメラの撮影素子における素子間隔の関係から縞模様状のモアレが発生することもあります。近年の視聴環境は大画面化・高画質化が進んでいるため、わずかなモアレであっても視聴者は気になってしまいます。そのため、設置方法についてのノウハウや十分な時間をかけてカメラテストを行うことが可能な企業のLEDディスプレイを採用することが重要となります。
・ポイント③ 輝度は十分か
撮影時には効果的に場面を映すために、多くの照明器具が用いられます。輝度が低いLEDディスプレイを用いると、照明器具の光に負けてしまい映像が不明瞭となります。リアリティの低い映像となってしまうことを避けるためには、環境に合わせて十分な輝度のLEDディスプレイを選定することが必要です。
・ポイント④ 色が変化しないか
LEDディスプレイによる再撮では、LEDディスプレイによる素材映像表示、カメラに届くまでの空間伝播、撮影用カメラの映像素子と記録されるまでに複数の段階を踏むことになります。そのため、元々の素材映像と比較して色が変化し不自然になることもあります。
LEDディスプレイへの表示段階で、カラーコレクタなどを用いて、再撮映像と素材映像を見比べながら調整していくことが重要となります。また、カラースペースの広いLEDディスプレイを検討することも有効です。